平成30年 年頭所感

 

 新年あけましておめでとうございます。                                         皆様におかれましても、気持ちを新たに新年をお迎えされたことと、お慶び申し上げます。

 

 日本羊毛産業協会の昨年度は、新しい会員企業を7社迎えることができ、大変喜ばしい年となりました。これにより、現在の会員数は33社2団体となりました。今回入会いただきました7社は、製造部門や商社機能を兼ね備えた企業が多く、当協会は、羊毛原料商社から紡績・織絨・染色・流通商社・アパレルまでの羊毛を幅広く取り扱う企業の集まりとなりました。             今後は、以前にも増して、羊毛製品の価値普及に向けて、消費者への情報発信を行うとともに、政府に対しても、要望・意見を提出し続けてまいります。

 

 さて、世界では大きく繊維市場が拡大しておりますが、その中で、羊毛生産量だけは増えておらず、繊維生産量のわずか1%台になりました。                                                       しかし、羊毛産業を取り巻く環境にも明るい動きもあります。昨年、TPP11や日EU、EPAは大きく前進しました。更に、RCEP、日中韓FTAの交渉も進められております。このように、欧州やアジアでの広域経済連携が実現すれば、ヨーロッパのみならず成長著しい中国マーケットにおいても、日本の繊維製品の高い品質が評価され、輸出の拡大が期待できます。

 

 また、羊毛原料相場は、限定的な生産量の中での需要を背景に、平成22年の高騰以来、上昇が続き、昨年の豪州羊毛相場は、豪ドルで1,760セントを越え懸念材料になっております。一般的には原料価格の高騰は、事業を行う上では良い傾向とは言えませんが、一方では、世界の繊維市場において、羊毛製品の評価が高まっているとも言えるのではないでしょうか。是非ともビジネスチャンスに繋げていきたいものです。

 

 私たち日本羊毛産業協会はこれからも、羊毛が上質で環境にやさしく、機能性や快適性も合わせ持つ素材であることを、特に日本の消費者にアピールし、羊毛産業の発展に尽力していく所存です。

 

 

平成30年1月1日

 

                    日本羊毛産業協会  会長  富田 一弥